WordPress構築の第一歩:初心者でも押さえておくべきテーマ・プラグイン利用方針の基礎
- WordPressテーマの機能がプラグインでも提供されていて、どう使い分ければいいの?どういう仕組なんだろう?という疑問を感じたことがある
- 他のWordPressサイトで見かけたかっこいい記事デザインがあったけど、どうやって実現しているのだろうと感じたことがある
- 「え、テーマでできないことを機能追加することができるの?」と、問題認識さえ持っていなかった
こんにちは!裕希ヒロです。このブログでは、システムエンジニア出身の私がWEBマーケティングを学んで『稼ぐ力』を鍛える過程を発信しています。
この記事のタイトルで「利用方針」という言葉を使いました。
難しく感じてしまいましたか?普段のお仕事によって、日常的に使う方もいれば、全く馴染みのない方まで様々だと思います。
「方針なんて難しいこと考えずに、やりながら考えればいいんじゃない?」
このように思ってしまうかもしれませんね。しかし、油断していると時には大きな過ち(時間の損失)に繋がります。
この記事では「テーマでできること」と「プラグインでできること」の違いに着目し、これらの特徴を説明します。そして、最終的には「プラグインでできることはプラグインに任せた方がよい」という、ひとつの設計の考え方(利用方針)をおすすめする理由もお話しします。
両者の違いを説明できない方は、ぜひ最後までご覧ください。
問題提起:WordPressサイト運営の方針を決めよう
WordPressの初期インストールを終えて使い始められるようになったら、WordPressサイトをどう設計するかの方針をしっかり決めましょう。ここでいう設計の方針は、記事(コンテンツ)が扱うジャンルではなく、Wordpressというシステムをどのように運営していくかの観点です。
もしコンテンツの方針が定まっていない場合は、まだあなたは WordPress を作るべきタイミングではありません。まずはコンテンツ作成の戦略(コンセプト)を定めることが第一です。
他にシステム管理者がいる場合や、外部の業者に委託する場合は、方針をしっかり相談することが大切です。これが決まると、その後のカスタマイズや運営がスムーズに進みます。
とはいうものの、いきなり「方針」という大きなテーマを示されても判断軸がありませんよね。以下、ひとつひとつ整理していきます。
基礎:テーマ (WordPress Theme) とは何か
WordPressのテーマは、サイト全体のデザインとレイアウトを決定するテンプレートです。テーマを選ぶことで、サイトの見た目が大きく変わり、デザインやレイアウトを簡単に統一できます。
テーマでできること
- デザインの統一: テーマを選ぶと、サイト全体のデザインが一貫性を持ちます。例えば、見出しのスタイル、フォント、色、背景などが自動的に統一され、プロフェッショナルな見た目を実現できます。
- レイアウトの変更: テーマにはさまざまなレイアウトオプションがあり、サイドバーの位置やカラムの数を簡単に変更できます。これにより、コンテンツを見やすく配置することが可能です。
- 便利な機能の追加: テーマにより個性が出て、差別化の色が強く現れる部分でもありあます。テーマによって、スライダー、ギャラリー、連絡フォーム、CTA(Call to Action)ボタンなどの便利な機能が組み込まれています。これらの機能を活用することで、サイトの魅力を高めることができます。
- カスタマイズの簡単さ: テーマカスタマイザーを使えば、専門知識がなくても簡単にカスタマイズができます。色の変更、ロゴの追加、メニューの配置変更など、直感的な操作で行えます。
テーマを利用するメリット・デメリット
- メリット
- 一度にデザインや機能を変えられる
- 専門知識がなくても簡単にカスタマイズできる
- 統一感のあるデザインが作れる
- デメリット
- 他のサイトとデザインが似てしまうことがある
- テーマによっては、機能が多すぎてサイトの速度が遅くなることがある
- 自由にカスタマイズするのが難しい
- テーマを変えるのが難しくなる
テーマを使う上での注意点
テーマに依存しすぎると、将来的にテーマを変更する際に大幅な修正が必要になることがあります。特に、特定のテーマ専用の機能(例えば、吹き出しや特定のレイアウト)を多用すると、テーマ変更時にデザインが崩れるリスクがあります。
とはいえ、数あるテーマの中からそのテーマを選んだわけですから、テーマ特有の機能を有効活用しなければもったいないのも事実です。大切なことは、将来的な変更の可能性も考慮に入れて、あまりにもマイナーな機能を一貫性無く使いすぎないように注意しましょう。
基礎:プラグイン (WordPress Plugin) とは何か
プラグインでできること
プラグインは、WordPressサイトに特定の機能を追加するための拡張機能です。プラグインを使うことで、基本機能だけでは実現できないさまざまな機能を簡単に追加できます。
- SEO対策: SEOプラグインを使えば、検索エンジン最適化を簡単に行えます。例えば、メタタグの設定、サイトマップの生成、キーワード分析などが可能です。
- セキュリティ強化: セキュリティプラグインを導入することで、不正アクセスの防止やスパムコメントのブロック、バックアップの自動化など、サイトの安全性を高めることができます。
- パフォーマンス向上: キャッシュプラグインを使用すると、サイトの読み込み速度を高速化できます。これにより、ユーザーエクスペリエンスが向上し、検索エンジンの評価も高まります。
- ソーシャルメディア連携: ソーシャルメディアプラグインを利用すると、SNSのシェアボタンやフォローボタンを簡単に追加できます。また、自動投稿機能を使えば、新しい記事を自動的にSNSに共有できます。
- 便利な機能の追加: そもそもプラグイン本来の意義であり、上記の1~4それぞれも「機能の追加」にあたります。これらに留まらず、WordPressのプラグインは公開されているものだけでも数万個も存在していおり、無いものを探すほうが難しいくらいの状況です。WordPressテーマの個性として組み込まれている機能の多くはプラグインにより実現できることも多いのです。
繰り返しになりますが重要なので再掲します。「5」で示した「テーマにより追加される機能の多くは、プラグインにより実現することができる」という特徴が、本記事において最も重要なポイントになります。
プラグインを利用するメリット・デメリット
- メリット
- 必要な機能を追加できる
- 特定の機能に特化したプラグインが多い
- テーマに影響を与えずに機能を追加できる
- デメリット
- プラグインが多すぎるとサイトの速度が遅くなることがある
- プラグイン同士やテーマとの相性問題が起こることがある
- 管理が少し複雑になる
プラグインを使う上での注意点
プラグインは便利ですが、多くのプラグインをインストールしすぎると、サイトの速度が低下することがあります。また、プラグイン同士の相性問題や、テーマとの非互換性が発生することもあるため、必要最小限のプラグインを選び、定期的に見直すことが重要です。
考察:運営方針の検討のための「テーマ」と「プラグイン」の特徴
結論、一言で表現すると「デザインと機能のバランスを取ろう」となります。ただし「テーマ」と「プラグイン」の役割分担の境界線に100点の正解はありません。あなたの置かれている状況に応じて最適解は異なります。
どういうことなのか、具体的に深堀りましょう。
デザインの自由度
テーマを切り替えるだけでサイトの見た目・印象が一気に変わりますよね。Webデザインの経験がなくても、最初から専門家に頼んだかのような見た目で運営を開始できるのがテーマの強みです。
テーマは一度にデザインを統一できますが、その一方で細かいカスタマイズが難しいことがあります。この点、プラグインは特定部分に特化してのデザイン変更や機能追加が簡単にできます。
サイト速度(パフォーマンス)の影響
テーマやプラグインの選び方によって、サイトのパフォーマンスに影響が出ます。複雑に作り込まれていない軽量なテーマや必要最小限のプラグインを選ぶことで、サイト速度を保てます。
一方、昨今のWebサイト運営においてSEO対策は常識中の常識で、その対策観点のひとつにパフォーマンスも重要であることは自明です。そのため多くの有料テーマは「このテーマを使うとパフォーマンスが劣化する」というレッテルを貼られたら大問題ですので、必ずといっていいほどパフォーマンス対策が施されています。それでもなお、テーマによってパフォーマンスの良し悪しに差があるのも事実です。
カスタマイズの手軽さ
テーマは一度にカスタマイズできるので、初心者にも使いやすいです。プラグインは特定の機能を追加しやすいですが、管理が少し複雑になることがあります。適切なプラグインを選び、しっかり管理することが大切です。
プラグインを利用したカスタマイズを推奨する理由
結論、冒頭にも示した通り「プラグインでできることはプラグインに任せた方がよい」という方針を推奨します。理由は、「特定機能に特化したプラグインを新たなものに代替するのは簡単だが、特定機能のためにテーマ一式を取り替えようとすると大仕事になってしまうため」です。
1. 柔軟性:必要な機能だけを追加
プラグインを使えば、必要な機能だけを追加できるので、サイトのパフォーマンスを維持しやすくなります。テーマに依存せずに機能を追加できるので、デザインの自由度も高まります。
2. 拡張性:特定の機能に特化したプラグイン
豊富なプラグインの中から、特定の機能に特化したものを選ぶことで、サイトを簡単に拡張できます。SEO対策やセキュリティ強化、ソーシャルメディア連携など、さまざまなニーズに対応できます。
3. メンテナンスの簡便さ:機能の追加とアップデート
プラグインの管理は少し複雑ですが、適切に管理することで、機能の追加やアップデートが簡単に行えます。定期的にプラグインを見直し、不要なものを削除することで、サイトのパフォーマンスを保てます。
4. 保守性:将来のデザイン変更に備える
「サイトのデザインをどの程度変更したくなるか」という点も考慮が必要です。例えば、将来的にデザイン変更を予定している場合、テーマに依存しすぎると変更が大変になることがあります。アナリティクス設定のような機能は、テーマではなくプラグインで対応するのがベストです。これにより、テーマ変更時でも機能が保たれ、再設定の手間が省けます。
プラグインに特化して役に立った実例
手前味噌ですが小さな例としては、Google Analytics(アナリティクス) の設定方法についてです。
当サイトではテーマの機能に依存せずにアナリティクスの設定(トラッキングコードの記載)を行っていました。はじめは MonsterInsights プラグインを利用して実現していましたが、その後に Google の Site Kit を利用した方が便利だと気が付き、プラグインを乗り換えたことがあります。
この例においては、どのようなテーマを利用していたとしてもテーマには影響なく(関係なく)、純粋にアナリティクス機能のことだけを考えてシステムの検討が可能です。もしテーマに依存していたら、検討方法・説明内容も特定テーマを利用している人向けになってしまって、汎用的ではなくなってしまいますよね。
【最初のアナリティクス設定】
https://it-novice.com/google-analytics-setting-using-monsterinsights/
【乗り換え後のアナリティクス設定】
https://it-novice.com/google-analytics-setting-using-sitekit/
まとめ:プラグインを活用して使い勝手の良いWordPressサイトを構築しよう
本記事ではWordPressサイトの使い勝手を向上させるための基本的な考え方と、「テーマ」と「プラグイン」の特徴を説明しました。
有料テーマをどれだけ探しても、そのテーマひとつだけで100点を目指すのは現実的に困難です。もしそれが実現できる場合があるとすれば、そのテーマをあなた専用に作成している場合のみでしょう。そうなると、必ずプラグインに頼らなければなりません。
一方で、このような考え方もあります。
「とあるテーマを導入して、そのテーマで不足している機能だけをプラグインで追加すればよいのでは?」
はい、これもひとつの正解です。決して間違いではありませんが、デメリットも抱えており、具体的には本分に記載した通りです。
WordPressの使い勝手を改善するには、プラグインを利用する方法をおすすめします。デザインと機能のバランスを取りながら、快適なサイト運営を目指しましょう。
以上、裕希ヒロがお送りしました。