【システムエンジニア会社員(SES)】なぜあなたの年収は上がらないのか?その真実と抜け出す方法

裕希ヒロ

こんにちは!裕希ヒロです。このブログでは、システムエンジニア出身の私がWEBマーケティングを学んで『稼ぐ力』を鍛える過程を発信しています。

日本のITを支えているはずのシステムエンジニアリングサービス業態(SES)でお仕事されている皆さん、こんなお悩みありませんか?

「SES企業で働いているけど、給料が思うように上がらない…」
「頑張って働いているのに、なぜか会社だけが儲かっている気がする…」
「このまま続けていて、本当に将来は大丈夫なのだろうか…」

そんな不安や悩みを抱えているあなた、実はそれ、多くのSES社員が感じていることなんです。

だけど、諦めないでください。実は、SES業界の仕組みを理解し、適切な戦略を立てれば、あなたの給料を大幅に上げることも不可能ではないんです。

SES業界の闇:あなたの給料が上がらない本当の理由

この記事を読むと、なぜSES社員の給料が上がりにくいのか、その仕組みが分かり、さらにはどうすれば現状を打破できるのかが明確になります。あなたのキャリアを大きく変える可能性を秘めた情報が、ここにあります。

私自身、長年IT業界で働いてきた経験から、SES業界の内情をよく知っています。そして、多くのSES社員が抱える悩みも十分に理解しています。

今回は、その経験を活かして、SES社員の給料が上がりにくい理由と、その状況を打破する方法について詳しくお話ししていきます。

SESの仕組み:時間単価×稼働時間の罠

まず、SESの基本的な仕組みについて説明しましょう。

SESの本質は、「時間単価×稼働時間」による精算です。つまり、あなたが働いた時間に対して、一定の単価が掛けられて、それが会社の売上になるというシステムです。

細かい話をすると「月間下限◯◯時間〜上限◯◯時間」という範囲を定めるアローワンス契約とか、精算幅・レンジの契約、みたいな言い方をされます。

この計算方法、どこかで聞いたことありませんか?そう、アルバイトの給与計算と全く同じなんです。

つまり、SES社員の皆さんは、高度なスキルを持っているにもかかわらず、アルバイトと同じような計算方法で報酬が決められているんです。これが、給料が上がりにくい第一の理由です。

多段階構造:あなたの給料はどこへ消えている?

次に、SES業界の多段階構造について説明しましょう。

SES業界では、元請け、一次請け、二次請け…と、多段階の構造になっていることが多いんです。そして、その段階を経るごとに、あなたの労働の対価は少しずつ削られていきます。

このように、クライアントが支払った金額の多くが、中間業者によって吸い取られてしまうんです。そして、最終的にあなたの手元に残るのは、元の金額のほんの一部。これが、給料が上がりにくい第二の理由です。

スキルアップの機会不足:成長のチャンスを奪われている

SES業界のもう一つの問題点は、スキルアップの機会が限られていることです。

多くのSES企業では、クライアントの指示に従って作業をこなすことが求められます。そのため、新しい技術を学んだり、より高度なスキルを身につけたりする機会が少ないんです。

これでは、いくら時間が経っても、あなたの市場価値は上がりません。そして、市場価値が上がらなければ、給料も上がりません。これが、給料が上がりにくい第三の理由です。

お金の流れのモデルケース:三次請けのSES社員の場合

以下のような状況を想定してみましょう。

  1. クライアント(発注元)が月額120万円で人材を求めている
  2. あなたは三次請けの会社に所属している
  3. 各段階の会社が20%の粗利を確保している

では、この条件で実際に計算してみましょう。

SESの多段階構造における給与計算式;

発注先から受け取る金額会社内部に残す粗利益(20%)再委託先に発注する金額(80%)
一次請け1,200,000円240,000円960,000円
二次請け960,000円192,000円768,000円
三次請け768,000円

さて、ここからが重要です。三次請け(つまり、あなたが所属している会社)は76.8万円で仕事を受注します。ここで疑問が浮かびますよね。「この76.8万円のうち、私の給与はいくらになるんだろう?」

残念ながら、この答えは会社によって大きく異なります。会社の給与設計、つまり「どれだけ社員に還元するか」という方針次第なのです。

ただし、ここで注意が必要です。三次請け以降に属するような企業は、往々にして就業条件が恵まれていません。そのため、かなり控えめに見積もって、受注額の30%程度があなたの額面給与になると仮定しましょう。
つまり、76.8万円の30%…計算すると、あなたの額面給与はたったの23.0万円/月となるのです。

「えっ、それだけ?」と思われたかもしれません。あるいは「あっ、ピッタリ・・・」と腑に落ちた方もいらっしゃるかもしれませんね。クライアントが支払った120万円からすると、大幅に目減りしていますよね。

そして、ここで更に皮肉な事実があります。あなたの給与が23.0万円に抑えられている一方で、あなたの会社の経営者は、この仕組みのおかげでそれなりに贅沢な生活を送れているケースが少なくないのです。

この現実を知ると、何か釈然としない気持ちになりませんか?あなたの頑張りの大半が、中間搾取されているのです。しかしこれが現実です。

でも、落胆しないでください。この仕組みを理解することが、状況を変える第一歩なのです。

脱出への道:SES社員が取るべき3つの戦略

ここまで、SES社員の給料が上がりにくい理由について説明してきました。では、この状況を打破するには、どうすればいいのでしょうか?

以下に、3つの効果的な戦略を紹介します。

1. スキルアップを自主的に行う

まず最も重要なのは、自主的なスキルアップです。

会社が提供してくれる機会は限られているかもしれません。しかし、今はインターネット上に無料や低価格で学べる優れた教材がたくさんあります。

極論、技術者としてのスキルアップならば Qiita, Zenn, GitHub の3つのプラットフォームを利用して自習するだけで、エンジニアとしての能力は飛躍的に向上し、転職の可能性が大きく広がります。

その一方で、根気強く自習し続けられる人が多くはない現状もよく知っています。そのような方にはオンラインスクールでの学習を強くお勧めします。

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これらのリソースを活用して、積極的にスキルアップを図りましょう。新しい技術を身につけることで、あなたの市場価値は確実に上がります。

2. 上流工程を目指す

キャリアアップの次なる重要なステップは、上流工程へのシフトです。プログラミングスキルを基盤としつつ、要件定義やシステム設計といった上流工程の専門知識を獲得することで、キャリアの幅が大きく広がります。これは単に報酬面での向上だけでなく、プロジェクト全体を俯瞰し、その方向性を決定づける重要な立場につながります。

上流工程は、ソフトウェア開発の根幹を成す領域です。ここでの決定がプロジェクトの成否を左右し、最終製品の品質に直結します。この重要な段階で中心的な役割を担えるようになれば、あなたの市場価値は飛躍的に高まるでしょう。結果として、より挑戦的で報酬の高いポジションへの道が開かれることになります。

このアプローチは、技術者としての成長だけでなく、ビジネス視点やリーダーシップスキルの向上にもつながります。上流工程のマスターは、テクノロジーとビジネスの架け橋となる、真のIT professional への第一歩なのです。

この図では「プログラミングスキル」が最下位に位置付けられる表現なので誤解を与えてしまいそうなので捕捉します。

私はプログラミングスキルだけを極めたスーパーエンジニア達を尊敬しています。極めたエンジニアたちのコーディングスキルは、IT業務経験が長い私の目から見てもまるで魔法のようで、とても真似できるものではありません。このようなエンジニアは海外では適切な報酬を得られるキャリアができていますが、日本だと極めて少数派でしょう。この記事ではあくまでSES業態を前提にした言及であることをご留意ください。

3. フリーランスへの転身を検討する

最後に、より大胆な選択肢として、フリーランスへの転身を検討することをおすすめします。

フリーランスになれば、中間マージンを取られることなく、または最小限の中間マージンのみで自分の労働の対価を直接受け取ることができます。もちろん、リスクも大きくなりますが、それに見合った報酬を得られる可能性も高くなります。

「フリーランスになったところで、SES業界構造の本質からは抜けられないのでは?」

こう思った方、その通りです。ただし、会社員とは大きく異なるところが、自分自身で報酬額の決定・選択のチャンスが格段に広がる点です。会社員だと営業とは無縁でいられる反面、

  • 全く興味のない職場(顧客)に配置されてしまった
  • やっている仕事のレベルが大きく変化したのに収入に給与は変わらない
  • 売上は安定しているけど、大きく増やすことができないため、挑戦のし甲斐がない

このような問題もつきまといます。

一時期、フリーランスになるのを安易に促す風潮がありました。しかし、未成熟なフリーランスが世に放たれた結果、クライアントサイド(発注側)としては非常に扱いづらい人材と接することになってしまって、なかなか苦労した経験があります。

そして昨今、大手企業ほどフリーランスエンジニアの扱いには慎重になっています。中小においては、そもそも人材難なので我儘は言えずに妥協・・・といったところでしょうか。

SES業態でフリーランスで生きていくならば、相応のスキルアップと覚悟を持って行動したほうが結果的には成功に近づくと思います。

まとめ:あなたの価値を最大化する道を選ぼう

SES業界で働く皆さん、自分の価値が正当に評価されていないと感じているあなた。今回お伝えした内容を、もう一度整理してみましょう。

  1. SESの仕組みは「時間単価×稼働時間」という単純な計算で、スキルが正当に評価されにくい
  2. 多段階構造により、あなたの労働の対価の多くが中間業者に吸い取られている
  3. スキルアップの機会が限られており、市場価値を上げにくい

しかし、この状況を変えるチャンスは、あなたの手の中にあります。

  • 自主的にスキルアップを図る
  • 上流工程を目指す
  • フリーランスへの転身を検討する

これらの戦略を実行に移すことで、あなたは自分の価値を最大化し、より高い報酬を得る可能性を手に入れることができます。

今すぐにできることから始めてみましょう。例えば、今日からオンライン講座で新しい技術を学び始めるのはどうでしょうか?または、職場で上流工程の仕事に携わる機会がないか、上司に相談してみるのもいいでしょう。

一歩踏み出すことで、あなたの未来は大きく変わる可能性があります。自分の価値を信じ、より良い未来へ向かって行動を起こしましょう。

きっと、数年後には「あの時行動して本当に良かった」と、今の自分に感謝することになるはずです。

頑張れ、SESエンジニアの皆さん!あなたの価値は、あなたが思っている以上に高いのです。その価値に見合った報酬を得る権利が、あなたにはあるのです。

以上、裕希ヒロがお送りしました。

ABOUT ME
裕希ヒロ
裕希ヒロ
システムエンジニアxマーケター
順調に出世していて定年まで安泰だったはずの大企業を無計画に辞職。年収ダウンのリスクと隣合わせに「WEBマーケティング」を学び、新たな武器を手にして新世界に挑戦しているエンジニア。中学生からインターネット文化に染まり、ネトゲ沼にはまりながらIT業務歴は長く20年超。
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